歯の表側にブラケットとワイヤーを装着する矯正装置です。ブラケットにはメタルブラケットと審美ブラケットがあります。当院は、目立ちにくい審美ブラケット(セラミック素材)を標準使用しています。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正とは?

ワイヤー矯正では、歯にブラケットと呼ばれるボタンを装着し、そこにワイヤーを通し力をかけることで、歯を移動します。定期的にワイヤーを調整することで目標とする位置まで少しずつ歯を動かしていきます。主に大人の歯が全て生えそろっている13歳以降に使用する装置です。
ワイヤー矯正の治療範囲について

ワイヤー矯正では、前歯から奥歯まで全ての歯の咬み合わせを整える「全体矯正」と気になる歯のみを部分的に整える「部分矯正」があります。ガタガタの程度が大きい場合、部分矯正では改善できない場合もあります。治療前にそれぞれの治療法のメリット・デメリットをしっかりと説明し、選択していただきます。
ワイヤー矯正のメリット・デメリット
全体矯正 | メリット ・歯列全体が整う ・奥歯を含めた全体の咬み合わせが良くなる ・治療後の後戻りの可能性が低い デメリット ・治療期間が長い ・調整費などのコストがかかる |
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部分矯正 | メリット ・気になる部分のみを治せる ・治療期間や費用が抑えられる デメリット ・ガタガタの強い歯並びには適応できない ・治療後の後戻りの可能性が高い ・全体的な咬み合わせは調整できない |
ワイヤー矯正の種類について
表側矯正とは?

舌側矯正(裏側矯正)とは?
歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着する矯正装置です。仕事の都合などで矯正治療をしていることを、人に気付かれたくない方に向いている治療方法です。治療期間に関しては表側矯正とほぼ同じです。

当院で使用する裏側矯正装置について
当院で使用する裏側矯正装置は、ブラケットからワイヤーに至るまで全て患者様自身の歯の形態に合わせたオーダーメイドのため、装置の厚みが可能な限り薄い設計となっています。そのため、裏側矯正の最大のデメリットであった装置の痛み・違和感、食事のしづらさが大幅に軽減されています。

ハーフリンガル(上顎舌側装置、下顎表側装置)
可能な限り目立たない装置がいいけど費用を少しでも抑えたい方や、舌の違和感を感じやすい方にお勧めです。

フルリンガル(上下顎舌側装置)
可能な限り目立たない装置がいい方にお勧めです。

ワイヤー矯正の
治療期間について

ワイヤー矯正の治療期間は非抜歯の場合、1年半〜2年、抜歯が必要な場合は2年〜2年半が目安となります。
ただし、歯の移動速度には個人差があります。矯正治療後は歯が後戻りしないよう止めておく必要があります。そのため、後戻り防止装置を2年間使用します。
ワイヤー矯正の
治療期間の目安
非抜歯の場合 | 1年半〜2年間が目安 |
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抜歯が必要な場合 | 2年〜2年半が目安 |
ワイヤー矯正でよくある質問について

Q. | ワイヤー矯正は痛い? |
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A. | 矯正治療には2種類の痛み(違和感)があります。 一つは装置が唇や粘膜に触れることによる痛み、もう一つは歯が動くことによる痛みです。どちらも治療初期は気になりますがほとんどの方が徐々に慣れていきます。一般的にはワイヤー矯正と比較するとマウスピース矯正の方が痛みを感じにくいと言われています。 |
Q. | ワイヤーは目立つ? 目立たない矯正装置はありますか? |
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A. | 当院では表側ワイヤー矯正の場合、上下の前歯12本は審美ブラケットを標準使用しているため、比較的見た目を気にせず治療できます。また、仕事の都合で人に気づかれたくない方には歯の裏側に装置を装着する裏側矯正や透明なマウスピースによる矯正も対応可能です。 |
Q. | ワイヤー矯正は抜歯をするの? 抜歯・非抜歯になる場合の違い |
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A. | ワイヤー矯正も含め、どの矯正装置を選択しても必要であれば抜歯を行う可能性があります。 特に成長が終了している成人の方は骨格的な改善が難しいため、骨格のズレを抜歯したスペースを利用して改善することがあります。抜歯が必要かどうかは骨格のズレやガタガタの程度によるため一度ご相談ください。 |
矯正治療メニュー
矯正歯科治療について
矯正歯科治療は公的保険適応外の自費診療です。
一般的な治療期間(1カ月に1度通院した場合)
- 非抜歯症例の場合:1~2年(通院回数12回~24回)
- 抜歯症例の場合:2~2年半(通院回数24回~30回)
矯正歯科治療に伴う
一般的なリスクや副作用について
- 最初は矯正装置による不快感、痛み等があるものの、数日から1、2週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差があるため、想定した治療期間が延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療は患者さんの努力が必要となります。それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置が付くため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まるため、丁寧なブラッシングや、定期的なメンテナンスが重要になります。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
- 歯を動かすことで歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着し、歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受け、壊死することがあります。
- 矯正治療中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 矯正治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 様々な問題による影響で、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯の形を修正や、咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す際、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置を外した後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りの生じる可能性が高くなります。
- 矯正治療中や矯正治療終了後に、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
- あごの成長発育により咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生え、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせると咬み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
薬機法において承認されていない
医療機器について
- マウスピース型矯正装置(製品名インビザライン)は医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けていない未承認医薬品です。
- マウスピース型矯正装置(製品名インビザライン)はアメリカのアラインテクノロジー社の製品の商標です。インビザラインジャパン社を介して入手しています。
- 国内にもマウスピース型矯正装置として医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けているものは複数存在します。
- マウスピース型矯正装置(製品名インビザライン)は1997年にFDA(米国食品医薬品局)により医療機器として認証を受けています。
- マウスピース型矯正装置(製品名インビザライン)は完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、承認薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。