習慣的に歯磨きを実践しているにも関わらずう蝕に罹患する人がいたり、砂糖の摂取量が多くてもう蝕に罹患しない人がいる。これは、う蝕は感染症であるが、発症にはさまざまな因子が複雑に絡み合う多因子性疾患のためである。
【食品の摂取方法】
①「何を食べるか」だけでなく、「どのように食べるか」、「いつ食べるか」という視点で食事や間食の摂取を考える。例えば、砂糖など発酵性糖質は食事時に摂取し、「だらだら食べ」をしない。発酵性糖質の「だらだら食べ」や不規則な摂取を避け、1日3回の規則正しい食生活を送ることが大切。
②唾液は自浄作用、緩衝(酸中和)作用、再石灰化促進作用を有し、う蝕の発生や進行を抑制する。そのため、生野菜・キノコ・海藻などの食物繊維を多く含む食品を取り入れるなど咀嚼回数を亢進させ、唾液分泌量を増加させる献立を工夫する。
③間食にはプラーク中で酸を産生しない非う蝕性甘味料を使用したキャンディー・チューイングガム・スナック菓子などを選ぶ。(非う蝕性甘味料とは、プラーク形成能と酸産生能のいずれももたない甘味料のことである。)
④養育者の口腔からのミュータンスレンサ球菌感染を防ぐため、食器や食具を子供と共有しない。
⑤チョコレート・キャラメルなど糖類が多く、粘着性の高い食品を摂取した後は、ブラッシングをする。
う蝕予防のための食品の選択には、「特定保健用食品(トクホ)」マークや「歯に信頼」マークが役立つ。
「トクホ」マークは、消費者庁が食品の効果・効能を認めた特定保健用食品のみに表示することができる許可マークで、歯に関しては「虫歯の原因になりにくい食品」、「歯を丈夫で健康にする食品」の表示が許可されている。
また、「歯に信頼」マークは、国際トゥースフレンドリー協会が食品テストを行い、摂取後30分以内にプラークのpHを5.7以下に低下させない食品に対してのみ付けることが許可されたマークである。
【代用甘味料】
「甘いものは食べたいが、う蝕にはなりたくない」と考える人は多いだろう。砂糖はう蝕の発生に密接に関与している。砂糖の代わりに用いる甘味料の総称を代用甘味料といい、これまでに多くのう蝕にならない(なりにくい)代用甘味料が開発され、清涼飲料水などの食品に応用されている。
①糖アルコール
糖アルコールは、キシロース・グルコース(ブドウ糖)のような単糖類、またはマルトース(麦芽糖)などの二糖類を高圧化で水素添加して作られた非う蝕甘味料である。
《糖アルコールの共通の性質》
❶不溶性グルカンの基質にならずにプラークでの酸産生の材料にもならない。
❷消化管での吸収が遅く低エネルギーである。
❸多量に摂取すると一過性の下痢を起こす。
❹水に溶けると吸熱反応を起こして口の中でひんやりとした清涼感を与える。
〔種類〕キシリトール・ソルビトール・マルチトール(還元麦芽糖)・エリスリトール・マンニトール(マンニット)・還元パラチノース(イソマルチトール)
②オリゴ糖(小糖類)
〔種類〕カップリングシュガー・パラチノース・トレハルロース
③アミノ酸系
〔種類〕アスパルテーム
④配糖体系
〔種類〕ステビオサイド・グリチルリチン
⑤化学合成系
〔種類〕サッカリン・アセスルファムK(アセスルファムカリウム)・スクラロース
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